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2019年2月21日木曜日

Macquarie Infrastructure (MIC):2018年4Q決算

インフラファンドのMacquarie Infrastructure(MIC)が、2018年4Qの決算を発表していましたので、紹介します。Macquarie Infrastructureの前回の紹介記事はこちらです。


決算概要


売上は5%増、純利益は85%減、EBITDAが5%減、営業キャッシュフローは2%増、フリーキャッシュフロー(FCF)は14%減となっています。2019年のガイダンス(の中央値)はEBITDAが3%増、FCFが4%減です。この会社は、純利益があまり参考にならず、EBITDAやキャッシュフローで見る必要があります。

事業ごとに見ていきます。Macquarie Infrastructureの事業は、貯蔵タンクのIMTT、空港関連サービスのAtlantic Aviation、太陽光・風力発電施設を運営するContracted Power、ハワイでガスサービス等を提供するMIC Hawaiiの4つです(でした)。

IMTT事業は、稼働率の低下で売上が7%減、EBITDAは12%減、FCFは23%減です。タンクの利用用途を化学物資やパーム油や精製油に転用するための設備投資や、タンクターミナルの接続性を改善するための設備投資が2020年まで続きます。2019年のガイダンスは、EBITDAが2%増です。タンクの転用が一部完了したことで、やや改善を予想しています。

Atlantic Aviation事業は、順調に拡大で、売上は13%増、EBITDAは7%増、FCFは変わらずです。2019年のガイダンスは、EBITDAが6%増です。引き続き好調を予想しています。

MIC Hawaii事業は、ガスの販売単価の上昇で、売上は5%増、EBITDAは38%減、FCFは42%減です。2016年に買収したHVAC(暖房、換気、空調)の設計・設置を行うCritchfield Pacific社(CPI)の売却損を計上しています。2019年のガイダンスは、その反動で、EBITDAが15%増です。

Contracted Power事業(風力発電、太陽光発電)は、2019年で完全に売却する予定になっています。

配当は、2018年は年間4ドル(四半期ごとに1ドル)で、2019年のガイダンスも年間4ドル(四半期ごとに1ドル)になっています。2019年2月20日終値の43.21ドルで計算すると、配当利回りは約9.2%になります。この配当額は、2019年ガイダンスのFCFの82%に相当します。


投資判断


全体的に、事前の想定通りの決算です。IMTTの稼働率改善のための設備投資と非コア事業の売却が順調に進んでいます。Atlantic Aviationは引き続き堅調で、IMTTは今後改善していくと思われます。

現在、私は、Macquarie Infrastructureをポートフォリオの4%程度保有しています。もし、この決算で株価が下がったら、もう少し買い増しするつもりです。



2019年2月20日水曜日

カナディアン・ソーラー・インフラ (9284):2018年12月期決算

太陽光発電設備のインフラファンドであるカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人が2018年12月期の決算を発表していましたので、紹介します。カナディアン・ソーラー・インフラの前回の紹介記事はこちらです。


決算概要


2018年12月期は、台風など天候不良の影響により実績発電量が事前予想に比べて94.2%に留まり、8月時点の予想と比較して、営業収益は約1億円の減少、純利益は300万円の微減となりました。今年は九州電力の出力制御が話題になりましたが、その影響は賃料収入全体の0.21%と無視できるレベルでした。

1口当たり分配金は、3600円で事前の予想通りです。2020年6月期まで3600円の予想になっています。2019年2月20日の終値96700円で計算すると、配当利回りは約7.4%です。

決算説明会の動画では、カナディアン・ソーラー社の競争優位性についての言及がありました。
  • 近年、FIT価格はどんどん引き下げられているが、システム費用の低下が追い付いていない。そのため、国は垂直統合モデルの採用によるコスト低下を求めている。カナディアン・ソーラー社は、グローバルで垂直統合モデルを展開している。
  • 2MW以上の発電所では、オークション制度が適用されている。カナディアン・ソーラー社は、他社より低価格で落札しても利回りを維持できる。2017年は広島で17.87円という2番目に低い価格で、2018年は山口で14.25円、群馬で14.49円と最も低い価格で応札した。


投資判断


ここは業績が非常に安定しています。業績の変動要素が、日照量くらいしかありません。借入の9割は10年間固定金利ですので、金利上昇もあまり心配する必要はありません。前回、FIT満了と導管性のリスクについて書きましたが、決算説明会の動画を見ていて、カナディアン・ソーラー・インフラは、物件の入れ替え等で柔軟に対応していける余地があるかもしれないと思いました。もう少し長期で見守っていきたいと思います。



2019年1月22日火曜日

Macquarie Infrastructure (MIC)

超高配当株の一つである、Macquarie Infrastructure Corporation(マッコーリー・インフラストラクチャー)を紹介します。


会社概要


Macquarie Infrastructureは、ニューヨークNYSE市場に上場しています。ティッカーシンボルは「MIC」です。米国のインフラ事業の所有・運営を行うインフラファンドです。

Macquarie Infrastructure(以下、MIC)は、オーストラリア最大の投資銀行であるマッコーリー銀行を中核とするマッコーリー・グループのインフラファンドの一つです。マッコーリー・グループは、インフラファンドの運用額では世界最大であり、インフラ投資では20年以上の実績があります。MICが所有・運営を行う事業は、石油や化学物質や農作物を貯蔵するターミナルを運営するIMTT、燃料供給などの空港関連サービス(FBO)を提供するAtlantic Aviation、太陽光・風力発電施設を運営するContracted Power、ハワイでガスサービス等を提供するMIC Hawaiiの4つです。MICの利益の内訳は、IMTTとAtrantic Aviationがそれぞれ4割ずつ、Contracted PowerとMIC Hawaiiがそれぞれ1割弱です。


財務分析


売上とキャッシュフローは安定しています。利益の変動は大きいです。2014年はMITTの50%を取得した際に、MICがすでに持っていた50%の持ち分を再評価したことで利益が大きくなっています。2015年は管理報酬のパフォーマンス部分が多額で赤字になりました。2016年も利益とキャッシュフローの乖離が大きいですが、その大部分は減価償却で残りは管理報酬と税金関係です。管理報酬が利益とキャッシュフローの乖離になる原因は、報酬が株式で支払われている(希薄化している)ためのようです。


配当は、2017年まで増加が続いていましたが、2018年は内部留保を増やしたことで一転減配になりました。IMTTの稼働率が低下しており、重油タンクを別の目的に転用するなどの設備投資の資金を確保するためです。MICは、この設備投資により2020年にはIMTTの稼働率が90%台に回復すると予想しています。2018年の配当は4ドルが予定されており、2019年1月18日終値の41.72ドルで計算すると、配当利回りは約9.5%になります。自己資本比率は約40%です。





投資判断


2018年に株価が暴落したことにより、配当利回りは非常に高くなっています。ですが、IMTTの稼働率低下と配当性向の低下以外には、特に大きな悪材料が見当たりません(何か見落としているかもしれませんが)。IMTTの稼働率低下が一時的なものだとしたら、回復時には配当利回りが10%を大きく超えることも期待できます。

現在、私はこの銘柄を保有していませんが、今後ポートフォリオの4~5%の金額を購入することを検討しています。MICは、大手ネット証券(例えば、マネックス証券)で購入することができます。



2019年1月17日木曜日

カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人 (9284)

超高配当株の一つである、カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人を紹介します。


会社概要


カナディアン・ソーラーは、東京証券取引所インフラファンド市場に上場しています。銘柄コードは「9284」です。東証に上場しているインフラファンドの最大手です。

太陽光発電設備に投資してSPC(特別目的会社)に貸し出し、実績発電量と買取価格に応じた賃料収入を受け取るという、シンプルな事業です。買取価格は、FIT(固定価格買取制度)により20年間は固定であるため、賃料収入は非常に安定しています。パネルの劣化により発電量は漸減していきますが、借入残高の減少で支払利息も漸減するので、結果として当期純利益は緩やかに上昇していくと、同投資法人は予想しています。分配金の原資は、当期純利益と減価償却費です。

カナディアン・ソーラーは、現在、九州を中心に19箇所の発電所を所有しており、合計評価額は477億円、パネル出力の合計は105MWになります。最大規模の発電所は熊本県益城町にあり、これが全出力の半分近くを占めます。FITの満了日は2037年6月1日になっています。二番目に大きい発電所は鳥取県の大山町にあり、これが全出力の1/4を占めます。FITの満了日は2037年8月9日です。

米国NASDAQ市場に上場しているカナディアン・ソーラー・グループが、同投資法人のスポンサーであり、発電所の運営、および新規取得物件の供給を行います。2020年には3倍の約350MWまで資産規模を拡大する計画になっています。

インフラファンドは、REITと同様に、利益の90%を分配金に支払う場合は法人税を免除されることになっています。ただし、その(導管性要件の)適用期間は20年間です。


財務分析


2018年12月、2019年6月、2019年12月の予想1口当たり分配金はすべて3600円になっています。2019年1月17日の終値の96500円で年間の分配金利回りを計算すると約7.5%になります。

2018年6月時点の自己資本比率は約49%です。資産の8割が発電設備、1割が土地、残りが現金等です。下表は、2017年10月から2018年6月の収益と費用の内訳です。費用は、減価償却費の割合が大きくなっています。まだ設立当初であるため経常利益率は16%ですが、2019年には30%前後まで上昇する計画です。






投資判断


カナディアン・ソーラーに投資するにあたって特に考慮すべきリスクは、FIT満了後が賃料収入が低下するリスクと、導管性要件の期間後に法人税が適用されて利益が低下するリスクだと思います。

まずFIT満了についてですが、同投資法人が保有する発電所のFITの買取単価は36円/kWh程度ですが、FIT終了後は電力市場の取引価格±αでの買取等になり、単価は1/3程度になると思われます。減価償却費の負担が無くなるのですが、利益は1/3程度になってしまうのではないでしょうか。同投資法人が保有する発電所の出力の3/4が2037年の半ばにFIT満了ですので、残りは18年半です。

次に導管性の期間についてですが、期間が延長される可能性もありますが、もし延長されない場合は40%程度の法人税が適用されることになると思われます。

物件の入れ替え、すなわちFIT満了日がより将来の発電所にうまく入れ替えることができれば、FIT満了のインパクトは減らせるかもしれませんが、設備費用の低下よりもFITの買取価格の低下が早ければ(利回りが低下してしまうので)それも困難でしょうし、FIT満了より先に導管性の期間の終了が来てしまうのでは意味がありません。

現在の分配金水準が続き、18.5年後に同投資法人の事業価値が1/3x0.6~1/3になると仮定した場合、ざっくりとした計算でIRRは約4.6%~約5.2%になるようです。保守的に、18.5年後の事業価値が0になると仮定した場合は、IRRは約3.5%になります。

この利回りを高いと見るか低いと見るかは人によると思いますが、景気の変動を全く受けないディフェンシブ銘柄と考えれば、悪くない水準かもしれません。いずれにしても、FIT満了に向けて長期的には投資口価格は下がっていくでしょうから、NISA枠での購入はおすすめしません。

現在、私はこの銘柄をポートフォリオの6%程度保有しています。この分析を行う前は、もう少し増やそうと考えていたのですが、変なリスクがあるわりには意外と利回りが良くないので、むしろ減らした方が良いのではないかと迷い始めています。