2019年1月4日金曜日

Ares Capital (ARCC)

超高配当株の一つである、Ares Capital(エイリス・キャピタル)を紹介します。


会社概要


Ares Capitalは、NASDAQ市場に上場しています。ティッカーシンボルは「ARCC」です。BDC(米国の中堅企業に対して融資を行うファンド)の最大手です。


Business Development Companyの略称で、米国において1940年投資会社法を根拠法として設立された中堅企業や新興企業等の事業開発を金融面及び経営面からサポートする投資会社のことで、1980年に中小及び新興企業への資金供給等を促す目的で誕生した。BDCの運用資産については法律により適切な分散が求められ、利益の90%以上を投資家に配当として分配することで、法人所得税を免除される。創業期のグーグル、アップル、インテル、フェースブックなどもBDCからの支援を受けた。
出典:BDCとは? | 投資信託の投信資料館

金融危機以降の規制強化で米国銀行は自己資本の強化など規制・コンプライアンスコストが上昇、無格付の中堅企業向けの融資は非中核分野として縮小傾向にあり、中堅企業(ミドルマーケット)向け融資に特化したBDCのような業態が参入する余地が拡大した。また、中堅企業向け融資に重要な役割を果たしていた地方銀行の統合が進み、Bank of AmericaやWells Fargoなどの巨大銀行に変貌、各地域で融資を実行していた地銀の代役としてBDCの役割が相対的に上昇した。
出典:米国の高分配型商品の一つであるBDCとは? | 岩崎コンサルティング


融資先の企業数は342社で、ヘルスケア21%、ビジネスサービス16%など、多様な業種の企業に融資しています。ポートフォリオの80%が優先担保付きローンで、残りは劣後ローンや優先株等です。


財務分析


リーマンショックで赤字を出していますが、その後の利益は安定的です。配当はさらに安定的で、2006年から1.4~1.68ドルの配当を続けています。2018年4Qの配当は0.39ドルが予定されており、2019年1月3日終値の15.28ドルで計算すると、配当利回りは約10%となります。

営業キャッシュフローは、Proceeds from sales and repayments of investments(投資の売却による収入と支出)とPurchases of investments(投資の取得)により大きく変動しています。2017年の赤字は同業のアメリカン・キャピタルを買収したことによるものです。


自己資本比率は約60%と、比較的高いです。S&PによりBBB(安定的)の格付けが付与されています。ただし、2018年3月の法改正によりBDCのレバレッジ上限が緩和されたため、Ares Capitalもレバレッジを拡大していくようです。





投資判断


Ares Capitalは、BDC最大手であるため、同業他社と比較して持ち込まれる案件の中から絶対の自信を持てる融資先を選別する余地が大きいという競争優位性があると思われます。実際、過去14年間で実現損失を出したのは2009年の1年間のみであり、ほぼすべての期間で実現損益率は他のBDCを凌駕しています。

Ares Capitalは、金利上昇を想定した借入金利の固定化と貸出金利の変動化を進めています。これにより金利が上昇すれば利益が拡大する見込みです。

今後、景気が悪化して融資先が業績悪化した場合は、金利が見直されることで評価損が生じて配当が下がります。それを懸念して株価も大きく変動すると思われます。2009年3月には3.6ドルまで暴落しています。ただ、リーマンショック後でも1.4ドル以上の配当が続いたことを考えると、配当減のリスクは意外と小さいのかもしれません。

ということで、現在、私はこの銘柄をポートフォリオの5%程度保有しています。大手ネット証券でも購入できるので、保有してらっしゃる方は意外と多いかもしれませんね。



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