2019年3月3日日曜日

Stockland (SGP)

超高配当株の一つである、Stockland(ストックランド)を紹介します。


会社概要


オーストラリア市場に上場しています。ティッカーシンボルは「SGP」です。

Stocklandは、多様な不動産の所有・開発・運営を行うオーストラリア有数の企業です。対象物件は、ショッピングセンター、オフィス、物流施設、住居コミュニティ、退職者生活村など様々です。Stocklandの特徴は、単に物件を扱うのではなく、持続可能なコミュニティを形成することを重視していることです。開発する物件の地域を集中させることで、物件の利用者の利便性と満足度を向上し、物件価値と利益率を高めていく戦略です。

出典:Stockland Invester Presentation Annexure 1H2019


Stocklandはステープル証券であり、「ショッピングセンター等を対象とするトラスト(REIT)」と「住居コミュニティ等を対象とするコーポレート」の組み合わせで構成され、市場で1つの証券として取引されています。


ステープル証券
英語名はstapled security。個別には売買できない2つ以上の関連する証券を1つに合体して売買する証券。オーストラリアの証券取引所に多くみられ、プロパティ・トラストと呼ばれるREIT(不動産投資信託)と、その管理会社(運用会社)の株式を一体化した証券などが上場している。トラストの安定した配当性向や収益に対する税制面の優遇措置に加え、株式の成長力や値上がり益を享受できるという特性を有する。
出典:ステープル証券 | 野村証券


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財務分析


売上・純利益は、ここ数年は伸びてきています。営業キャッシュフローは土地取得に関する費用を含めて計上しているため、純利益の水準よりも低くなっています。


Stocklandが重視している業績指標は、FFO(Funds from Operation)です。FFOは、オーストラリア不動産評議会が不動産会社の比較のために定めているガイドライン指標です。2014年から2018年の4年間で、StocklandのFFOは5.7億ドルから8.6億ドルまで年率10%で安定して増加し、1株あたりのFFOも0.248ドルから0.356ドルまで増加しています。

配当(分配金)は、「トラストの課税収入の100%」と「FFOの75~85%」の大きい方の金額が支払われることになっています。配当は半期ごとに支払われており、2018年6月でこれまでの0.13ドルから0.135ドルに増配しています。2018年12月の配当も0.135ドルです。2018年6月期のAnnual Reportによれば、2019年6月期の年間配当は0.276ドルと想定されており、2019年3月1日終値の3.6ドルで計算すると、配当利回りは約7.6%になります。

先月Stocklandは、2019年6月期の上期の決算を発表しています。2018年6月期の上期と比較して、売上は15.7%減、純利益は56.2%減、FFOは6.7%減でした。この業績悪化は、2019年6月期は2018年6月期と比較して住居コミュニティの収入が下期に偏るためで、事前の想定通りです。ただし、小売セクターの景況悪化を受けて、2018年6月時点で5~7%と想定していたFFOの成長率を下限の5%に設定しています。

Stocklandは今後、ショッピングセンターの売却を進め、オフィスや物流施設の比率を高めることでポートフォリオの安定性を向上する方針です。

2018年12月末時点の自己資本比率は、約64%です。S&Pの格付けは「A- Stable」、Moody'sの格付けは「A3」です。


投資評価


オーストラリアの不動産市況や小売市況の悪化などを懸念して、Stocklandの株価は下落しています。Stocklandの業績もその影響を受けていますが、悪い環境の中でも優れた戦略により比較的安定した業績を維持しています。中長期的には、オーストラリアの人口増の恩恵を受けた成長が続くと期待できます。

現在、私はStocklandをポートフォリオの3%程度保有しています。オーストラリアのマクロ経済環境の動向次第では、買い増ししたいと思います。


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