2019年2月4日月曜日

ウエストパック銀行 (WBK)

超高配当株の一つである、ウエストパック銀行(Westpac Banking)について紹介します。といっても、有名な銘柄ですので、すでにご存じの方も多いと思います。


会社概要


ウエストパック銀行は、オーストラリアASX市場とニュージーランドNZX市場に上場しています。また、ニューヨークNYSE市場でもADR銘柄として取引ができます。ティッカーシンボルは、ASXとNZXでは「WBC」、NYSEのADRでは「WBK」です。

ウエストパック銀行は、オーストラリアの四大市中銀行の一つです。2018年の利益の内訳は、Consumer Bank(オーストラリア国内のリテール向け)が4割、Business Bank(オーストラリア国内の法人向け)が3割弱、その他(資産管理・保険、決済・貿易、ニュージーランドなど)が3割強となっています。


財務分析


売上・利益・配当は安定的です。利益と営業キャッシュフローの差異は、主にデリバティブ(スワップ)の評価損益のようです。配当は半期ごとに出ており、オーストラリアドルで94セントが2015年12月から続いています。ADR銘柄で保有している場合は米ドルで支払われますので、金額は為替(AUD/USD)によって変動します。2018年9月期の配当は1.41米ドルで、2019年2月1日の終値17.8ドルで計算すると、配当利回りは7.9%になります。



2018年9月時点で、普通株等Tier1比率は10.63%、その他Tier1を含めたTier1比率は12.78%、Tier2を含めた総自己資本比率は14.74%です。延滞率はここ5年は低下傾向にあります。経費率・利鞘も安定しています。総じて、健全な銀行と言えると思います。






投資判断


業績が安定しているわりにはウエストパック銀行の株価の変動は大きくなっています。NYSE(ADR)の株価は、2015年頃から下落基調にあります。2018年に入ってからの下落は、不正融資に関する件や、住宅ローン金利の低下、利鞘の低下などが材料視されたようです。ただ、そうした材料はまだ上記の業績の数字には表れていないようです。

NYSE(ADR)の株価が大きく下がっているのは、為替要因もあります。ASX市場の株価はオーストラリアドル建てで、NYSE(ADR)市場の株価は米ドル建てです。同じ価値になるように裁定取引が行われますので、NYSE(ADR)の株価は、ASXの株価にAUD/USDの為替レートを掛けた値になっています。下図のように、ウエストパック銀行のASX市場の株価とAUD/USDの為替レートが連動する傾向にあることから、NYSE(ADR)の株価はASX市場の株価よりもボラティリティが大きくなりがちです。



現在、私はこの銘柄をポートフォリオの3%程度保有しています。含み損状態です。買い増ししたくなる株価水準ですが、長期の下落トレンドが続いていますので、今後発表される業績を慎重に見極めつつ、株価が底打ちするのを確認してからにしたいと思います。


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