会社概要
香港市場に上場しています。上場は2014年7月です。銘柄コードは「1848」です。
中国飛機租賃(CALC)は、中国の国務院系の中国光大グループの傘下で、独立系最大手の航空機リース会社です。現在、航空機を115機保有して航空会社にリースしています。2023年には300機以上に増えて、世界の航空機リース会社のトップ10に入る予定です。保有する機体の多くはエアバスのA320シリーズです。その他、ボーイングのB737や、COMAC社のARJ21も扱っています。COMAC社のARJ21は、中国自主開発の旅客機とされており、中国国内で商業運航しています。インドネシアでも飛んでいるようです。
中国飛機租賃(CALC)の特徴は、航空機のリースだけでなく、機体のリサイクル(改修・解体・部品販売)を含めた航空機のライフサイクル全体のソリューションを提供しようとしていることです。解体工場は、米国ミシシッピ(2017年3月に買収)と中国ハルビン(2018年6月に操業開始)にあります。
財務分析
リース収入の拡大により大幅な増収増益が続いているように見えますが、今のところ、利益が出ているのは、ファイナンス・リース債権の売却益や政府からの補助金のおかげです。営業キャッシュフローは、支払利息分の調整や運転資金(ファイナンスリース債権等)の増減で激しく変動してよくわかりませんので、下の図では上下を切り取っています。
2018年度下期(2019年3月)の配当は不明ですが、仮に2017年度下期(2018年3月)と同じ0.42香港ドルの場合、年間0.64香港ドルですので、2019年2月22日終値の9.01香港ドルで計算すると、2018年度の配当利回りは約7.1%となります。
投資判断
航空機の需要増加とオペレーティングリース利用率の高まりを背景に、航空機リースは、今後も拡大が期待されています。例えば、2018年にオリックスは中国の海航集団傘下のアボロン・ホールディングスの株式を30%を約2500億円で取得しています。アボロンは世界第3位の航空機リース会社です。本案件は、オリックスの過去最大の投資だそうです。
中国の航空機需要については、海外旅行の国際線だけでなく、中国国内の移動・輸送での活用が増えると思います。付加価値税の引き下げといった航空リース会社に対する国策の後押しもあります。中国飛機租賃(CALC)は、こうした需要を取り込み易い立ち位置にいます。
上で書いたように現状の利益の質は良くないですが、まだバックログが大量にあって会社が立ち上がってくる段階ですので、最終的にどのような形に落ち着くのか見極めたいと思います。機体のリサイクル事業についても、最大で2億ドルの利益になるというアナリスト予測もあります。
現在、私はこの銘柄をポートフォリオの2%程度保有しています。今後の成長に期待して、打診買いの段階です。
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