2019年1月27日日曜日

IREIT Global (UD1U)

超高配当株の一つである、IREIT Global(アイリート・グローバル)を紹介します。


会社概要


IREIT Globalは、シンガポール市場に上場しています。銘柄コードは「UD1U」です。ドイツのオフィスのREITです。

IREIT Globalは、ドイツのベルリンとボンとダルムシュタットとミュンスターとミュンヘンにオフィスの物件を所有しています。ボンとダルムシュタットとミュンスターの物件は、ドイツテレコムの完全子会社であるGMGが唯一のテナントです。次に大きなテナントがドイツの年金基金の一つで、この2社だけでIREIT Globalの収益の約85%を占めます。

物件価値の合計は約4.6億ユーロで、内訳はベルリンが35%、ボンが22%、ダルムシュタットが18%、ミュンヘンが14%、ミュンスターが10%です。築年数は、ボンとダルムシュタットとミュンスターが約11年、ベルリンが24年、ミュンヘンが40年(2011年に全面改装済)です。WALE(リースの残存期間)は、ミュンスターとミュンヘンが約3年、ボンとダルムシュタットが約5年、ベルリンが約6年です。

(出典:IREIT Global Investor Presentation, February 2018)

IREIT Grobalは、上海の不動産実業家である童錦泉氏が過半数の株数を所有しており、浮動株比率は約3割です。運用会社は、Tikehau Capital社の子会社であるIREIT Global Groupです。Tikehau Capital社は、フランスの資産運用会社で、経営者が3割超の株を保有し、シンガポールのテマセクも株主になっています。Tikehau Capital社自身も、IREIT Globalに出資しています。


財務分析


2014年に上場し、今は安定期に入っています。2016年と2017年に利益が若干キャッシュフローを上回っているのは、物件の評価益のためです。2016年は分配可能利益の100%を株主に還元しましたが、2017年は約90%(REITとしての下限)まで減らしたので、減配になっています。2018年4Qの分配金を3Qと同じ1.42シンガポールドルと仮定して、2019年1月25日終値の0.74シンガポールドルで分配金利回りを計算すると、約7.8%になります。



自己資本比率は55%です。借入は主にユーロ建で行われています。1株あたりのNAVは0.43ユーロ(0.71シンガポールドル)、0.74シンガポールドルでNAV倍率を計算すると約1.04になります。



投資判断


Tikehau Capital社が童錦泉氏の資金で組成した半分プライベートカンパニー的なREITという印象です。分配金利回りは高いですが、リスクは比較的低いように思います。資産規模が小さく、少数のテナントに偏っているのが気がかりですが、ドイツテレコムと年金基金ですので、長期間借りてくれるのではないかという期待があります。

現在、私はこの銘柄をポートフォリオの3%程度保有しています。残念ながら、日本国内の証券会社でIREIT Globalを購入できるところは無いようです。シンガポールの証券会社(Phillip証券など)に口座を開設すれば購入することができます。



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